精神科医大塚のお金、婚活、診療の一コマ

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精神科医が英語民間試験延期について話す

精神科医の大塚です。

今日は英語民間試験延期が発表され、衝撃が広がっていますね。

それについて思ったことを書いていきたいと思います。

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民間試験の活用については反対

萩生田大臣が昨日、民間試験の活用の延期を発表しましたね。

自分が受験していた頃のことを考えると余裕がなかったので、受験生に余計な負担をかけた今回の経緯については非常に義憤にかられました。それでも無理に強硬しなかったのは不幸中の幸いなのかもしれません。

民間試験の活用に関しては反対で、英検だったりベネッセだったりが使えるみたいですが、やはり営利団体というのはお金もうけが第一の団体で今後の公平性に疑問があります。例えば、英検が英検対策の参考書とかを売る可能性は高いですし、あとは各試験の間の整合性がとれるのかという疑問があります。

また、制度としてきっちり定まっていないの性急に導入する必要性がないと思いました。

問題点として言われている、経済的な問題、地域的な問題について。

今回の問題について経済的な問題や地域的な問題が指摘されますよね。

地域的な問題についてはその通りと思っていて、高校2年頃から何度も地方や離島から都会に来る必要があるのは問題ですよね。しかし、

 

経済的な問題については手放しでそうだ!という気持ちにはならなくて。

それが今日の本題です。

 

最大2万円ぐらいする受験料が果たして妥当なのかという議論があります。

自分としては今でも十分経済的な格差がゴールを決めていると思っていて

そこでいつも思い出すのが、自分の受験時代の思い出です。

ちなみに、自分はだいぶ受験について拗らせているので、そこはご容赦いただければと思います。

受験時代の思い出

塾に通っていて医科コースに通っていたのですが、3人でよくつるんでしました。

3人とも医学部を目指していて、いろいろ話していたのですが、この中で一番医学部合格に近いのは誰でしょうか?

 

A:駿台模試の偏差値70

B:駿台模試の偏差値65

C:駿台模試の偏差値60

 

偏差値だけで言ったらA君の気がします。

志望校はどうでしょうか。

 

A「親が医科歯科の医学部だから医科歯科に入りたい」

B「沖縄とかじゃなければどこでも」

C「東京の大学がいいな」

 

A君の志望校の医科歯科大学の偏差値は今ググったら、72程度。

B君の志望校は例えば新潟大学なら65。

C君は都内がいいとのことですが、基本的に東京や大阪の都市圏に近づくほど大学の偏差値は高くなるので、難しそうですね。東大の偏差値は80!

 

でもこの中で一番合格に近いのはC君でした。

C君は親がお金持ちで5000万位ならポンと出せましたし、何なら億ぐらいまでは問題ないとのことでした。例えば帝京大学の偏差値は58です。

笑いながら受験時にそういうことを話し合っていて、そのことを今回思い出しました。

今の段階でも制度上で経済的な問題はあるのでは

医者になるだけということを考えると、今でも親の年収により受験制度の段階でだいぶ不公平だと思うので、受験料等が今回の英語民間試験の導入について問題というのは指摘としては弱いのかなと思ってしまいました。

各大学の受験料も何万もかかるので、お金がなければ併願校は少なくしないといけないですし、今でも制度の段階から経済的な格差で機会の平等は保たれていない

(受験料を無料化することについては採点の手間を減らす、あんまり行く気のない大学への出願を減らすという観点から反対です。)

自分も経済的な下駄を履いてきた一人

ちなみにここに登場するA君、B君、C君は中学、高校で私立+塾とか国立+家庭教師とかで全員年間200万程度教育費がかかっています。中高合わせて1200万位ですね。これは制度の段階の格差ではないですが、そういった背景については理解しています。

つまり、自分もたくさん下駄をはいてきました。私大に対して良くないと言っているわけではなくて、経済的な格差は今でも受験の制度の段階から深く横たわっていると思います。追加でいうと入学時の偏差値で医者としての素質は図れなくて、余裕のある家庭に育った人のほうが患者に尽くすあったかい医者になりやすいと言われています。

speakingやhearingに少し寄せるのは賛成

スピーキング、リスニング能力は現代の入試で必要ない

受験英語について改善するべきという方向性は自分は大まかに間違っていないとは思っていて、現在の受験で必要な英語の能力はreading100%重視でwritingは半分重視ぐらいで、hearingはセンターとアクセント問題ぐらいしか使わない、speakingについては全く必要とされていないと感じていました。

workを「ワーク」と読もうが、「ウォーク」と読もうが基本的に入試の点数は変わりません。

なので、もう少しだけspeakingに寄せるのは、今回のような方式はよくないと思いますが、方向性としては悪くないのかなと思います。

医者としてはreadingが一番使うとはいえ

自分みたいな医者だけではないと思いますが、自分は本当に片言でしか英語を話せません。自分が医者として働くときに英語を使うのは論文読むときにreadingの力を使うことが多く、speakingの力は外国の方が来たときに使うぐらいですね。ただ、日本は日本語が話せないで暮らしていくことはほとんどできないので外国の方との診察でも日本語だけでもなんとかなる場合が多いです。精神科の細かい問診はネイティブじゃないと難しいのかなとも思いますし。そうはいっても英語で話せたらそれは一番いいことだと思いますし、これから海外の方と働く人も増えると思うので、やはりspeakingはもう少しだけ重視してもいいのかなと思います。

まとめ

今回の民間試験導入については反対で延期されてよかったと思っています。

経済的な問題については現状でも制度上あると思っています。